Positive Centre

Sighaがキューレーターを務めるレーベルOur Circula Soundは、いまのところディープ・テクノとエレクトロニック・ミュージックが主なレーベルコンセプト。ベーシックチャンネル以後のミニマルでディープなダブ、エクスペリメンタルなそのサウンドは、現在イギリスやヨーロッパにあってArtefactやModern Loveと並んで最も洗練されたコンセプチュアルな同時代意識の態度と姿勢を持っていると言えるだろう。

ベルリンベースのアーティストMike Jefford ( Positive Centre ) は、ラウドスピーカーを通したアナログ・シンセサイザー、エフェクト・プロセッサー、テープマシーンによるディープで奥深くテクスチャー再生の可能性を探求する。なによりも彼は、GRM（Groupe de Recherches音楽パーティー ) に影響され、クラブ・マニュピレーターよりもピエール・シェフェールとともにミュージック・コンクレートの先駆者であるフランスの現代音楽家ピエール・アンリや、ルーマニア生まれのギリシャ系フランス人の現代音楽家、建築家ヤニス・クセナキスの、反復と低周波音の微妙な変化における強調によって共鳴するダブ音響とリズミカルな催眠的サウンドの再生、オーディオ・コラージュの探求に興味を持っている。SighaのOUR CIRCULA SOUNDからの " In Silent Series " にはマット・コルトンによってマスターされたモノクロームのインダストリアル風錆びた臭いのするミニマルダブ、ダークアンビエントな同時代意識が流れている9トラック収録されている。余分なものが削ぎ落とされたクールでニヒリスティックな世界だ。